Last Up date:2003-12-6 |
2.より正確で効果的な大気圧実験
(有効面積[cm2])=(吸着力[kg 重])÷(大気圧[1kg 重/ cm2]) ※また表中の「有効面積の割合」とは,「ゴム板の面積」に対する「有効面積」の割合で,次の式で算出した。 (有効面積の割合[%])=(有効面積[cm2])÷(ゴム板の面積[cm2]) 3)まとめ ・2mm 厚の結果と5mm 厚の結果を比べると,ゴム板の面積が同じでも5mm 厚の方が吸着力は大きくなることが分かる(2倍以上)。これはつまみを引いたときのゴム板の形の歪みに関係していると考えられる。薄いゴム板では周辺部で歪みやすく,吸盤として働く有効面積が小さくなりやすい。 ・15cm×15cm のゴム板は10cm×10cm と比べると,いずれの厚さでも吸着力は大きくなる。しかし,面積が2倍以上大きくなっているのに,吸着力は1.3~1.5 倍程度にしかならない。つまりゴム板が大きくなると,吸盤として働く有効面積の割合は小さくなる。 ・以上より,自作吸盤の吸着力を,単純にゴム板のタテ×ヨコのサイズから求めるのは間違いであり,このことをふまえて実験解説をする必要がある。
2つの半球を合わせてその中を減圧し,半球の引き合う力を体感する実験は17 世紀にゲーリッケが行った有名な実験で,今も多くの学校で行われている。よく行われている方法は2つあり,市販の半球と真空ポンプを用いる方法と,家庭用のボウル内でアルコールを燃焼させそれが冷えるときに減圧して引き合わせる方法である。いずれの方法も,減圧する過程が子ども達にとってブラックボックスになっている。そこで,ゲーリッケが行ったように,手動真空ポンプを用いて減圧の過程も体感できるような自作マグデブルグ半球を製作した。 図2に示した装置は,2個のボウルと簡易真空ポンプからなる。簡易真空ポンプは注射器と逆止弁でできている。 またボウルには観賞魚のエアーポンプ用のボールバルブがハンダ付けしてあり,簡易真空ポンプからのチューブが接 続できるようになっている。この真空ポンプで約1/6気圧程度まで減圧することができ,実験には十分な性能である。 ボウルの直径が20cm として1/6気圧まで減圧したときの吸着力は次の式で求められる。 ((大気圧[kg 重/ cm2])−(半球内の気圧[kg 重/ cm2]))×(断面積[cm2])≒260kg 重 参考までに,市販のマグデブルグ半球は外径118mm 程度(島津理科調べ)であるので,市販の真空ポンプで減圧したときの吸着力はおよそ110kg 重である。また。アルコールの燃焼による減圧方法ではボウル内部を1/2気圧程度にしか減圧できないので,先と同じボウル(直径20cm)を使ったとしても吸着力は160kg 重程度である。これらの点を見ても,今回紹介する方法はかなり演示効果が高いと思われる。 |
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