あなたもきっとダマされる⁉︎ ヒトをあやつる「感覚」の科学
実験ショー&ブース紹介
みなさんの学校はどんなところでしょう?どんなかたち?なんの音がきこえる?手ざわりはどんな感じ…?
私たちは毎日、いろんなものをみて・きいて・さわって感じています。
でも、自分が感じている世界と友だちが感じている世界は、本当に同じなのでしょうか?
このサイエンスショーでは、「みる・きく・さわる」の感じ方をだます、ふしぎな実験をたくさん体験してもらいます。
*目でみる実験:まぼろしの黒いかべ
黒いシートをつなげてトンネルを作りましょう。
すると突然、「黒いかべ」があらわれます!
しっかりみえるのにさわれない…まぼろしのかべがあらわれるのも、みなさんの「感覚」がダマされているのです。
*耳できく実験:音のレーザービーム
みなさんの声はうしろにいる人にもきこえますね。
光は前にまっすぐ進むけれど、音はうしろにも横にも広がります。
でも今回のショーでは、音をまっすぐ進ませます!
「自分にしかきこえない」…そんな音のレーザービームを体験してみましょう。
*手でさわる実験:「手ざわり」を記録する
きれいな景色を伝えるにはカメラやDVD、音楽を伝えるのにはCDを使いますね。遠くの人と話すには、電話やテレビ電話も使えます。では、「手ざわり」伝えるにはどうすればよいのでしょう…?
実はこれ、今はやりの研究テーマなんです。
いま、たくさんの人たちが手ざわりを伝える方法を研究しています。
そんな最先端の研究のお話と一緒に、私たち 3人が住んでいる東京の様子をみなさんに「手でさわって」感じてもらおうと思います。
実験ショー&ブースのポイント
*いま、「人間の感覚をあやつる」研究がアツい!
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚…人間の「五感」については昔から数多くの研究がなされてきました。最近では、人間に与えられた刺激が脳で処理されるという五感の仕組みを解き明かすだけでなく、その結果を応用して人間の感覚を操ろうとする研究も増えています。たとえば話題の VR(バーチャルリアリティ)の分野では、プレーンクッキーの見た目を変えることでイチゴ味やチョコ味を感じさせる研究が行われています。この例では視覚で味覚をだましていますね。このように複数の感覚の組み合わせや相互作用を応用した研究がいま盛んに行われているのです。
そんな五感の中でも特にホットなのは「触覚」の研究です。ガラスのつるつる感や木のざらざら感を遠く離れた人に伝えることができる触覚ディスプレイなどの研究が進んでいます。将来のスマートフォンでは、通販で買う洋服の肌ざわりを手で体験できるようになるかもしれません。五感を操る研究は今後もますます発展していきそうです。私たちも「うまくダマされる」ことで、より便利で快適な世界が実現されていくかもしれません。
プロフィール
氏名:「科学のお姉さん」:藏田玲美(写真左)
所属:東京大学薬学部薬学科 5年
新薬の開発を夢見て研究中。サークルにてサイエンスショーの魅力にとりつかれる。小学校や科学館での 50を超える科学イベントの企画運営経験、本の原稿執筆やテレビ出演経験を活かし「学生による科学ボランティア活動の意義」や「楽しさを伝える表現法」について講演など。
氏名:「アートのお姉さん」:おかだゆか(写真中央)
所属:日常探検家
日常の中に溶け込んで気に留められないものに焦点をあて、半径 3mの生活が、3倍楽しくなるようなことを考えている。身の回りにある身近なものを題材とした科学ワークショップを東芝未来科学館、日本科学未来館にて実施。六本木アートナイト 2015オープン・コール・プロジェクト採択、2015年度 ZOKEI展ZOKEI賞受賞、YouFab Global Creative Awards 2015 Finalist、Playable City Award 2016Finalist、3D-Business Digging Festival 2016 2位など。 http://concomcone-project.tumblr.com/
氏名:「技術のお兄さん」:吉田貴寿(写真右)
所属:東京大学情報理工学系研究科 2年
「圧倒的なテクノロジーで魔法のような体験を作りたい。そしてみんなを驚かせたい!」と考えるのが好きな研究者のたまご。自分でマイクをにぎって科学の面白さを伝えるのも大好き。NHK教育「大科学実験」、TBS、FMラジオの科学監修/出演、著書に宝島社「東大生がおしえてくれたアタマがよくなる科学おもちゃ&手品」など。また JPHACKS2015 Finalist、米 SIGGRAPH2016 Emerging Technologies展示をはじめ、ハッカソン/国際学会での発表多数。 http://www.k2.t.u-tokyo.ac.jp/members/tyoshida/tyoshida-j.html