実験ショー紹介
■新人コース「空気で物を動かそう」
松村 浩一
- ヘアドライヤーで風を送ります。風が物に当たると、力をおよぼします。その結果、止まっている物が
ころげはじめたり、飛んでいったりします。力を出すのだから、落ちないように支えることもできます。
私たちは、これを物が浮いているといいますね。
さて、発泡スチロール球を風で浮かべましょう。斜めにしたり、風を弱くしたりすると、どうなるでしょう。
- 小さな発泡スチロール球が浮かんでいます。球をもっと大きくするとどうなるでしょうか。球は重たく
なるので、あまり上がらないのでしょうか? それとも意外と高く上がるようになるでしょうか? 直径
と重さと風力の微妙な関係を見てみましょう。
- いま、○○センチぐらい浮いています。ヘアドライヤーのパワーを上げると、もっと高くなるでしょう。
では、ヘアドライヤーのパワーを変えないで、もっと高く浮き上がらせる方法はないのでしょうか。
まっすぐ伸ばした手をかざすと、球はふっと浮かび上がります。(ほめても上がるかな。)その他、底を抜
いたカップをかぶせたり、指をさして引きおろしたりと、意外な動きを紹介します。
- 最後に、参加者にも体験してもらいましょう。簡単な工作で実験します。BB弾とストローを使ったス
トローロケットを作ります。空気を送って、ストローロケットを飛ばしましょう。短いのと長いのとはどっ
ちがよく飛ぶでしょうか。どうしてそうなるのでしょうか。考えて見ましょう。
実験ショーのポイント
- ヘアドライヤーで風を送り、その風で発泡スチロールの球を浮かべる。科学館のサイエンスショーなど
で見たことがあるのではないかと思います。使い古された実験のようですが、実際に取り組んでみると、
あまり知られていない現象がいろいろあるようです。それらをいくつか紹介します。
- 意外な現象を擬人化して教育上の指導内容としたトークは、教育講演会を意識したものです。科学的な
説明というよりは、「なるほど、そうきたか」と、子供や親にインパクトを与える方を選びました。賛否
はあるかと思いますが、まずは聞いてみてください。
- BB弾は直径6mm。ストローも直径6mm。ちょうどはまります。また、ストローには細めのものも
あります。ストローロケットは、これらを使った簡単な工作です。小さな子供には、楽しいおもちゃです
が、これは高校生でも理解しにくい「力積」の概念を、体感して理解できる教材でもあります。
- 見て楽しく、自分でも取り組める内容です。自分の手や頭を使って、実際にやってみることが大切です。
私も実際にあれこれしている中から、これらの現象に気づきました。面白い現象は、まだまだあると思い
ます。皆さんもぜひ挑戦し、新しい発見をしてください。
プロフィール
氏名 松村 浩一(まつむら こういち)
所属 山口県防府市立桑山中学校、NPO法人理科カリキュラムを考える会、
オンライン自然科学教育ネットワーク、サイエンスEネットなどに所属。
理科・数学・社会の免許と司書教諭の資格を持つ、ユーティリティ・ティーチャー。
サイエンスレンジャーとして、各地でサイエンスショーを担当。
青少年のための科学の祭典(全国大会含む)等で、新しい教材の開発や発表に取り組む。
現在、児童館での科学教室や保育園での「親子で科学あそび」等のボランティア活動を実施中。
実験ショーの様子
copyright(C) 2009 「科学教育フォーラム2009」実行委員会 お問い合わせ:office09@sci-fest.org